VMware を使ってテスト環境の構築や本運用を行っている人は結構いるのではないかと思います。
今回は、VMware を使っているのなら是非使っておきたい VMware Tools のインストールを行います。
前準備として、必要になってくるパッケージを事前にインストールします。
まず、make するためにはもちろん make が必要です。あと、gcc 関連のパッケージが必要になるので、インストールします。
[root@host ~]# yum install glibc glibc-devel gcc [root@host ~]# yum install make
さらに、VMware Tools のインストールには、現在 OS が使用しているカーネルと同じバージョンのカーネルソースが必要になるのでインストールします。
[root@host ~]# yum install kernel-devel
ちなみに、Xen を使っている人はこっちのカーネルソースになります。
[root@host ~]# yum install kernel-xen-devel
ここで表示されるカーネルソースのバージョンと、現在 OS が使っているカーネルのバージョンは同じである必要があります。カーネルのバージョンは以下のコマンドで確認できます。
[root@host ~]# uname -a
カーネルとカーネルソースのそれぞれのバージョンがもし違っていたら、以下のコマンドでカーネル自体もアップデートした方がよいでしょう。
[root@host ~]# yum install kernel
Xen を使っている場合はこっち。
[root@host ~]# yum install kernel-xen
インストールが終わったら、今度は VMware 本体のメニューを操作して、仮想 CD-ROM をセットします。
[VM] - [VMware Toolsインストール] をクリック(ダイアログが出たら [インストール] をクリック)
で、セットした仮想 CD-ROM をマウントします。
[root@host ~]# mount /dev/cdrom /media/ mount: ブロックデバイス /dev/cdrom は書き込み禁止です、読込み専用でマウントします
読み込み専用のデバイスとしてマウントされたら、VMware Tools の本体を適当なディレクトリにコピーします。
i386 アーキテクチャの人は rpm が用意されているので、以下のように rpm パッケージをコピーしてインストールします。
[root@host ~]# cp /media/VMwareTools-6.0.2-59824.i386.rpm /usr/local/bin/ [root@host ~]# rpm -ivh /usr/local/bin/VMwareTools-6.0.2-59824.i386.rpm
x86_64 アーキテクチャの人は、残念ながら rpm パッケージがないので、ソースのアーカイブをコピーして展開後、インストールします。
インストールが完了したら、とりあえず、仮想 CD-ROM はアンマウントしておきましょう。
[root@host ~]# umount /dev/cdrom
あと、VMware 本体のメニューを操作して、仮想 CD-ROM がセットされている状態を解除しましょう。
[VM] - [VMware Toolsのインストールをキャンセル] をクリック
そしたら、VMware Tools の設定を行います。
[root@host ~]# /usr/bin/vmware-config-tools.pl It looks like you are trying to run this program in a remote session. This program will temporarily shut down your network connection, so you should only run it from a local console session. Are you SURE you want to continue? [no]あらら...SSH クライアントでリモート接続しているとダメみたいですね。
「このプログラムを実行すると、一時的にネットワークが切断されるので、そのときにリモート接続だと接続が切れてしまいますけど、続けますか?」と聞かれているので、[no] のまま Enter キーを押します。
すると、「ローカルのコンソールから実行させてね」と、以下のメッセージが出て終了します。
Please re-run this program from a local console shell. Execution aborted.
気を取り直してローカルのコンソールから実行します。
[root@host ~]# /usr/bin/vmware-config-tools.pl
(ここでリモート接続が切断されます。表示メッセージは省略)
[EXPERIMENTAL] The Virtual Machine Communication Interface (VMCI) service provides a new communication capability with the Host, primarily for development at the moment. Would you like to enable this feature? [no]
VMCI?VMware のリリースノートを調べてみると「Virtual Machine Communication Interface」といって、ホスト OS 上のアプリケーションとゲスト OS との通信を高速化させる機能らしい。試験的な機能と言うことでデフォルトが [no] になっている。ここはお好みで変えてください。自分はデフォルトのまま進みます。
Please choose one of the following display sizes that X will start with (1 - 15): [1] "640x480" [2] "800x600" [3] "1024x768" [4] "1152x864" [5] "1280x800" [6] "1152x900" [7] "1280x1024" [8] "1376x1032" [9] "1400x900" [10] "1400x1050" [11] "1440x900" [12]< "1680x1050" [13] "1600x1200" [14] "1920x1200" [15] "2364x1773" Please enter a number between 1 and 15: [12] 3
X を起動させた時に表示させる画面の解像度を何にするか聞かれるので、適切なものを選びます。自分は [3] を選択。すると、VMware Tools がサービスとして開始された後、以下のメッセージが出ます。
(VMware Tools 関連のサービスが起動します。表示メッセージは省略) The configuration of VMware Tools 6.0.1 build-55017 for Linux for this running kernel completed successfully. You must restart your X session before any mouse or graphics changes take effect. You can now run VMware Tools by invoking the following command: "/usr/bin/vmware-toolbox" during an X server session. To use the vmxnet driver, restart networking using the following commands: /etc/init.d/network stop rmmod pcnet32 rmmod vmxnet modprobe vmxnet /etc/init.d/network start To make use of the virtual printer, you will need to restart the CUPS service Enjoy,
VMware Tools のインストールと起動はこれで完了です。VMware Tools を使うと以下のようなことが可能になります。
・VGA 以上の高解像度のサポート
・ホスト OS <-> ゲスト OS でのマウスカーソルの透過的移動
それに加え、vmware-toolbox というのを起動させておくと、さらに以下のことが可能になります。
・ホスト OS との時刻の同期
・ホスト OS ⇔ ゲスト OS でのテキストのコピー&ペースト(ただし、Windows と Linux 間では日本語が文字化けする場合が多い)
VMware 上のゲスト OS は、時間が結構ずれるので、ホスト OS との時刻の同期が非常に魅力的なので実行させます。以下のコマンドで vmware-toolbox が起動します。ちなみに、vmware-toolbox は X 起動後にコンソール上から実行させてくださいね。
[root@host ~]# /usr/bin/vmware-toolbox &
なお、vmware-toolbox は一般ユーザーでも起動が可能ですが、時刻の同期は root 権限での実行が必要なので、root 権限で実行させておくのがよいかと思います。
ただ、サーバー管理をするのに X を起動させる人はなかなかいないと思います(^^;
VMware Tools 自体は X なしでも動作します。実は、設定ファイル「.vmx」に以下の内容を追加すること(VMware Tools の再起動が必要)で、時刻の同期ができてしまうのです!お試しあれ!!
tools.syncTime = "TRUE"
VMware Tools インストール&設定は以上です。お疲れ様でした!
コメント