今、ミニノート PC が話題だ。今までは、パワーを求めずとも、携帯性を重要視した場合、デスクトップマシンと比較して高価なノート PC を購入するしか選択肢がなかった。
しかし、低価格なミニノート PC の出現によってその方程式は一変した。
安価なミニノート PC の出現によって、ノート PC 市場は今までにないほど活性化している。メーカー側も予想以上の反響で驚いているとのこと。
ただ、出荷台数が少ないのは、Intel などからの圧力によるもので、従来のノート PC 市場を浸食されてしまうことを恐れての措置だ。徐々に出荷することでその影響を低減させ、様子を見るとともに従来の高価格帯のノート PC が棲み分けを行うための準備期間を設けることが目的と思われる。
といっても、すでに従来のノート PC も低価格帯のものについては、すでにミニノート PC と価格面で競合している。ただし、従来のノート PC はコストパフォーマンスに優れる反面、重量があり、ミニノート PC は、コストパフォーマンスはそれほどでもないが、超低消費電力と軽量さが売りという明らかな違いがあることも確かだ。
ただ、ミニノート PC といってもその定義は曖昧だ。Intel が提唱する Netbook や Microsoft が提唱する UMPC のことを一緒くたにして言っているのが現状かな。
そのミニノート PC の牽引役を担っているのが Intel の Atom プロセッサだろう。Intel が言うには、Celeron プロセッサよりも性能は低いとのことだが、それを差し引いても Atom は Celeron よりも魅力的に映る。
現在はデスクトップ用のみだが Dual-Core Atom も出荷されていて、すでに Celeron の領域を侵しつつある気がするのだが、自分が注目するのはその次、次世代 Centrino Atom だ。
といっても、魅力に感じる点は、従来から大幅な省電力化ができることや、更なる小型化ができることではない。というか、Atom プロセッサそのものに対して言っているのではない。
次世代 Centrino Atom に搭載されるであろうモバイルWiMAX がその答えだ。簡単に言えば、今までノート PC を外出先でネットにつなげる場合に無線 LAN スポットに行かなければならかなったのが、いつでもどこでもその場でネットが楽しめるようになる。
次世代 Centrino Atom でなくとも、モバイルWiMAX は搭載されるだろうから、フォーカスするのはモバイルWiMAX だけでもよかったかも知れない。ただ、まだはっきりしたことがわかっていない現在では、モバイルWiMAX が搭載されるプラットフォームとして挙げられるのは、次世代 Centrino Atom ぐらいなものだろう。
自分はいつも思っていた。PC はネットに繋がってこそ真の利用価値がある。だから、ノート PC でいつでもどこでもネットができたなら、それは理想の環境だと。
今まで実現されなかったのはやはり技術の実用化や無線ネットワークのインフラの整備に時間がかかっていたせいだろう。だが、PC を使うようになってからずっと考えていた未来がすぐそこまで迫っている。とてもワクワクする。きっと自分だけではない。たくさんの人がそう思っているはずだ。
ネット環境が場所による制限から解放されることで、PC の利用手段は飛躍的に向上する。きっと、自分が考えているよりもずっとおもしろい未来がくるに違いない。
2009年、昔から思い描いていた未来が現実のものとなる。無線の人口カバー率は徐々に拡大されていくだろうから、普及にはある程度時間がかかるだろうが、おそらく、2009年から 2011年の間に、PC の枠を超えたネットワークの革命が起こるだろう。
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